素人でも塗りやすい漆喰はないかと探していたときに、和歌山の漆喰についての記述を見つけた。
紀南の串本町あたりで、昭和54年頃まで菊目石というサンゴを素材にした漆喰を作っていたという。施工性がよく、防耐水性に優れていて収縮亀裂が生じにくいと伝えられているので、もし今でも残っていればぜひ使ってみたかった。
大正時代に和歌山県内で漆喰仕上が普及したことから、この時期に「熊野灰」と呼ばれるこの漆喰が一般化したという説がある。この土蔵はまさに大正期の築造であり、もともと熊野灰を使っていた可能性があるのではないか。
時間があれば復刻して使いたかった。
参考文献:建築知識 2001年9月増刊 超実用テクニック「左官読本」 (株)エクスナレッジ ワークショップのメインページへ戻る