第4回ワークショップ

2001年10月22日(月)〜2001年10月26日(木)
参加者 和歌山大学学生さん1名 一般の方々2名
指導 野島建設・宮尾さん 瀧川左官・宮本さん・北野さん

1022 曇りで小雨。夜雨が降ると言う予報が有り、砂漆喰を塗った後の雨を避けるために、中止に。

1023 学生さんは授業で、午前中、ワークショップ参加者は私を含め3名。宮本さんが説明を交えて砂漆喰を練ってくれる。ハンドミキサーを使用。Sさんが挑戦するがなかなかに腕力がいる。城漆喰(中塗り用)と寒水の袋が積み上げられている。脇に手のひらにのる小さな袋。メトロース。昔の布海苔に変わる接着剤と言うことだった。城漆喰1袋を水の入ったバケツにあける。白い粉が舞い上がり、吸い込むと咳き込むから気をつけてと注意される。身体に害はない。中塗り用の袋の中には既にスサと寒水が入っている。スサは繊細な麻縄のような繊維である。まだ水に親しまない粉状のところに接着材の小さな袋の中身を空けて粉を混ぜ合わせてから水とこねている。かたくり粉を溶かす要領と同じであるらしい。別には少しの水で中身を溶いてから城漆喰の混ぜ合わせたところに加える方法があるという。
今までの壁土と違い、かなり粘りがある。“とろろのような”と表現していた人がいた。左官仕事は何故か料理の比喩が飛び交う。それだけに身体に親しい。

練り上がった漆喰を瀧川さんが来て調べている。ひしゃくの裏に薄く延ばして粘りや砂・スサの混じり具合を何度も見ていた。

宮本さんから北面のチリ際のトンボを止めながら漆喰を塗るように言われる。いよいよ漆喰塗である。
垂れてくる漆喰をコテに乗せるのがなかなか難しい。瀧川さんが手本を見せてくれる。コテ板を思い切って垂直にしてリズム良くコテで掬う。スピーディーに。種が終わる部分で下の壁土に消長するように塗り延ばしておくと次の塗り重ねで段が出来ない。これが難しい。余り押さえ込んでも上に塗り重ねる砂漆喰がうまく載らなくなる。コテの持ち方も改めて指導された。面は平滑さの精度が更に要求され、コテをまず垂直に、次に水平に動かして面に残るコテ跡のの方向性を無くす。更にその時にコテに当たらない部分はくぼんでいるのがすぐ判るので、付け送りをして平滑にする。
難しい。また漆喰は乾きが早い。しかし皆漆喰を塗り拡げる作業に熱中した。午後から学生さんIくん登場。

窓廻りは北野さんが定規を打ってくれていた。
北と南面、及び西面の四分の一程の平壁、また北面のけらば(これは職人さん達)を1回目の砂漆喰塗を終えて一日目を終了。皆さんお疲れさまでした。Iくんは、白い壁になるといいですね、最初からと言っていた人だ。今日の感想はどんなものだったでしょうか。

*10/24〜10/25は西本が東京で仕事のため参加できず、参加者の方から送っていただいた記録を転載します。

1024 23日の作業の続行。

1025
作業内容:
西面砂漆喰こすり(4名で10時までに終了)
東面砂漆喰こすり(4名で12時までに終了)
左官屋さん2名は4辺の上部の各角の補修

午後の作業はよく分かりません。ごめんなさい。多分左官屋2人は午後 も角の補修に回ったと思います。
午前中で砂漆喰のこすりは全面おわりました。
明日は、カンレイシャを貼るそうです。
僕らにできることは?と宮本さんに問うと、カンレイシャを持つくらいと言われました。カンレイシャを貼ったあとすぐの今の中塗りの材料での砂漆喰塗りは、僕らにも手伝わせてくれるかもとも言っていました。

漆喰も砂漆喰ながら1度は塗れたし、あとは必要以上に人工がかからないように、手伝えるところは手伝うという方がいいように思います。今日は昨日と同様の作業だったので、多少なれてきて作業もはかどりました。ただ、やはり凹凸を無くして塗るのは難しく、材料をつけて手早く平らにしないと時間がたつと余計難しくなるようでした。
写真にも撮っていますが、漆喰は乾くと更に白くなり、昨日塗ったところと今日塗ったところは、塗りたては全く色が違いました。乾いてくると、さらに平滑でない様子がよく分かるような気がしました。コテに材料をのせるのは、なんとなく慣れましたが、「平らに塗る」 これが難しい。
前の漆喰が残っているところと土壁のところとの境目も土壁のところにつけた材料がすぐに硬くなり、難しかったように思います。
昨日同様、角を作るのは無理で、宮本さんにすべて任せました。

明日は、午前中は私が、午後は橋本先生が現場にいる予定です。
できそうな作業だけ手伝います。(カンレイシャ持ちか材料運び)
(文責Sさん)

〜午後参加の和歌山大学学生さんからの作業についてのメール抜粋〜
西本さんへ

漆喰塗り楽しかったですね。BさんとNさんは今日も相変わらずおしどりです。
昨日は漆喰塗りが順調に進んだので残りの2面は午前中に塗り終わったので、午前で終了しました。

今日は、BさんとNさんがvol.1の報告を致します。

N:こんにちは、今日は午前中までの作業でした。ちなみに私は昼からです。
B:お久しぶりです。今日の寒冷紗貼りは、乾いた粗漆喰の上に粗漆喰を薄く塗り、寒冷紗を縦に貼り付けます。
N:寒冷紗を漆喰が乾く前にこてで押さえて貼り付けます。サンプルで少しその作業をしましたが、寒冷紗は結構簡単に貼り付きましたが気をつけないとこてに寒冷紗が引っかかり糸がよってしまい、実は難しかったり…。
B:えっ、難しかったか?Hさん、スイスイ塗ってたし。ちょっと力がいったかな?
N:でも橋本さんより、私の方が平らやったもん。
B:そんなん俺の方が平らや。
N:あっ、寒冷紗を張ることによって最初にくっつける為に塗った粗漆喰が平らじゃなかったら浮きました。それと、宮本さんが蔵の入り口のサイドをあて木してつくっていました。明日はハチマキの部分を塗っていくそうです。寒冷紗は今日は2面で、つづきはまた今度するそうです。

以上がBさんNさんの報告です。おしどり具合が、伺えますね。
作業的には寒冷紗を切ったりの作業しかないようでした。
また、見学に行ける日があればのぞきに行きます。
何かご質問でもあればまた連絡下さい。
(和歌山大学Iさんより戴きました)

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1026
作業内容:
南・東面部分の砂漆喰を塗り、そこに寒冷紗を貼っていく。西面入り口部分の土壁下塗り
蔵入り口の足元回り土壁付けとカンレイシャ貼りの補助作業が中心でした。
北面壁カンレイシャ貼り(宮本さんたち2名で午前中)

午後からは、宮本さんたち2名だけで作業をおこなったと思いますが、多分西面のカンレイシャ貼りとケラバ、軒先の砂漆喰下こすりを行ったと思います。他に瓦工事に2名来ており、東面の屋根の丸瓦のやりかえを行っていました。カンレイシャの貼り付け作業は、非常にスピーディーで僕たちで行うのは無理のようでした。下に薄く3から5ミリ塗り、その上にカンレイシャを1mほどの幅で縦貼りにしていき、上からコテで押さえる作業でした。ビデオに撮っているので見てください。
職人さんの話では、仕上げを満足行くようにするには、気候が悪くなってくる(寒くなってくる)ので、最悪は春に仕上げになるというような話でした。引き続き職人さんたちは、作業を続けるようだったので、時折見に行きます。宮尾さんと連絡をとって、もっと詳細な工程がわかるとよいのですが...
(文責Sさん)
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作業状況から、寒冷紗張り込みの砂漆喰下塗りは職人さんが中心にならざるを得ないと判断されたので、野島建設さんに依頼して残り作業を進めてもらいました。
以下、現場監督の宮尾さんからの報告です。

1027 (土)瀧川左官4名 (宮本、北野、平尾、木下)にて軒先及びケラバ部分の砂漆喰下塗りを行う
1029 (月) 瀧川左官1名
1030 (火) 瀧川左官2名
この2日間で窓廻り、西面入り口廻り、屋根周り等の砂漆喰塗り。
以上で土壁部分の寒冷紗張り、砂漆喰下塗りまで終わる。


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