小野佐世男について

西本組の社章は西本健次郎翁の考えでデザインコンペを行い、当時の西本組東京支社長・小野鉄吉の息子で漫画家としてデビューする前の小野佐世男の応募案が選ばれたものです。小野佐世男についてはこれまで殆ど情報がなかったのですが、2009年に東京藝術大学で近現代美術を研究されている足立元さんが私共のサイトを見つけて下さり、足立さんを通して初めてその存在を詳しく知ることができました。
トップページでお知らせしましたが、2012年下半期に西本ビルの築造年が大正期であることが新たに判明致しました。佐世男という名前は鉄吉が佐世保にいた時に誕生したことから命名されたと伺います。佐世保には非常に早い時期に鉄筋コンクリート造2階建て建築の例が見られることがあり、鉄吉の仕事との関連が気になるところとなっております。(2012/05/25作成 2012/06/16、2013/11/1改訂)



2012年秋・「小野佐世男―モガ・オン・パレード」展
会場:川崎市岡本太郎美術館
会期:2012年10月20日―2013年1月14日

開催要項
1.開催主旨:
小野佐世男(1905〜54は、戦前戦後の日本において活躍した人気・実力の伴った漫画家であり、画家でした。東京美術学校(現東京藝術大学)西洋画科に在学中から芸術性の高い雑誌『東京パック』や『報知新聞』などに漫画を発表し続け、ハツラツとした女性像が高く評価され、漫画界に麒麟児あらわるともてはやされました。この頃、小野は、岡本太郎の叔父にあたる画家の池部釣(1886〜1969)と交流があり、頻繁に自宅を訪問していたことを、長男で俳優の池部良は著作の中で証言しています。
1941年、小野は陸軍報道班員として徴用され、翌1943年3月、複数の文化人たちと共に陸軍宣伝班としてジャワに派遣されて終戦まで駐留しました。1943年にはジャワの人びとの啓蒙活動の一環として啓民文化指導所が開設され、小野はその一員としても活躍しました。ジャワでの小野の画業を代表する作品として、1945年に刊行された『小野佐世男ジャワ従軍画譜』とその原画が現存しています。
戦後、復員後の小野は人気漫画家として活躍し、本格的に油彩制作を再開し始めて間もない1954年、来日したマリリン・モンローを取材する途上に立ち寄った日劇ミュージックホールで倒れ、49歳の誕生日を目前に急逝しました。 本展では、小野佐世男の作品と活躍をご紹介します。

2.展示構成(案):
@東京美術学校時代(1925〜30):
小野佐世男を生み出した時代背景として、モボ・モガとしての小野を紹介する
A独立時代(1930〜41):
ロートレックやグロッス等の影響を受けながら独自の画風を形成した小野の戦前の活躍を紹介。
B戦時・ジャワ従軍時代(1942〜46):
画集『ジャワ従軍画譜』の原画を中心に、小野が見た当時のインドネシアの様子を紹介
C戦後時代(1946〜53):
戦後の活動を再開し、マスコミ界の人気者として知られるようになり、洋画家としての活動を開始して間もなく急逝した小野の仕事を振り返る。

3.協力関係:
・主催:小野佐世男展実行委員会、川崎市岡本太郎美術館
・協力(案):若山美術館、shoei

4.会場:川崎市岡本太郎美術館(2012年10月20日―2013年1月14日)

5.出品作品(案):小野佐世男作品・・・油彩12点(1952〜53)、原画50(1945〜52)、その他 約300点


連絡先:
佐々木秀憲
吉田成志
川崎市岡本太郎美術館
川崎市多摩区枡形7ー1ー5/Tel:044ー900ー9898/FAX:044ー900ー9966





*以上、川崎市岡本太郎美術館の告知資料より抜粋


2009年、足立元の企画で催された個人的展覧会の”チラシ”
この展覧会では珍しカストリ誌なども拝見した他、片倉義夫さんの珍しいコレクションもお見せ頂いた。足立元さんは2012年1月「前衛の遺伝子―アナキズムから戦後美術へ」を出版されている。

2013年・「マリリン・モンローが会えなかった男―小野佐世男展」
会場:京都国際マンガミュージアム
会期:2013年10月31日―2014年2月11日


開催主旨:
1930年代から50年代にかけて、風刺漫画雑誌や新聞小説の挿絵などで筆を振るい、映画やラジオにも出演するなど、様々なメディアで大活躍した画家・漫画家の小野佐世男。本展は、時代の寵児として昭和を駆け抜けたこの天才作家を、ペンがや油絵、掛け軸などの原画50点以上および当時の掲載誌、ポスターなどの関連資料40点以上で紹介します。
佐世男は、1954年、来日したマリリン・モンローに会いに行く直前で急逝するまで、数多くの女性を描いてきました。銀座を闊歩するモダンガールから従軍先のインドネシアの女性たちまで、それぞれの時代や場所で、佐世男が等しいまなざしを注いだ「美女」たちの、たくましく楽しげな姿をお楽しみいただけたらと思います。

関連イベント:
「小野佐世男が帰ってきた!」
2013年11月3日(日)午後2時〜4時

小野佐世男の長男で、マンガ評論家として著名な小野耕世(おの・こうせい)氏に、佐世男の作品と人の魅力について語っていただく講演会を開催します。事前申し込み不要。





連絡先:
伊藤遊
京都国際マンガミュージアム
京都市中京区烏丸通御池上ル/Tel:075ー254ー7414/FAX:075ー254ー7424